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私とむし

石粉粘土作品:夜光虫

いよいよ目前に迫ったむし展開催日。

くどいようですがニヒル牛が7/31(日)~8/26(金)、
ニヒル牛2が8/5(金)~8/30(火)です。
皆さん、西荻周辺にお越しの際には、ぜひお立ち寄りください!

上は例の「夜光虫」の写真。
ボディの絵をクローズアップして撮ったものですが、
左上隅の瞳がどうにもこうにも気持ち悪かったので載せてみました。

決して人様の目に触れさせることはないであろうと思っていた夜光虫。
それを人目にさらすどころか展示までしてしまう日が来るとは、
夢にも思っていませんでしたが、
なんだか逆にだんだん楽しみになってきました。
皆さん、ニヒル牛で見かけたら、「へー、これがあの…」って感じで、
ぜひ生温かい目で鑑賞していただければ幸いです。

さて、開催目前を記念して、本日は「私とむし」というタイトルで、
私のむし作品のルーツについて書いてみたいと思います。
夏なので、夏休みの宿題の作文チックなタイトルです。

少し前、むし展のことをFacebookに書いた際、
友達から「カフカの変身みたいの?」というコメントをもらいました。
カフカとは小説家のフランツ・カフカのことで、
変身とはもちろん代表作「変身」のことです。

Oh!そんな文学的で高尚なテーマで作るわけないじゃないですか。
だって私の作るむしって夜光虫だよ。
見たら失笑もんだよ。
と思ったのですが、ふとよく考えてみれば、私の「むし」のルーツを辿っていくと、
確かにカフカの「変身」も多少なりとも影響しているのです。

そう、夜光虫のような“むしの被り物をしている風の人”、
平たくいえば人面虫の構想は、遥か昔、
高校時代から始まっていたのです。

当時、授業内容を完全に聞き流しながら
ノートに書き殴っていた落書きのひとつにこんなのがいたのです。

グレーゴル・ザムザ氏

上の絵は当時の落書きを再現したものです。
私の画力は当時から全然上がっていないため、
ほぼ忠実に再現できているかと思います。

網タイを履いていない生足バージョンや、
手に持っているのが本だったりするバージョンもありましたが、
顔はいつも顎の先の割れた濃い男性の顔で、
横には必ず「グレーゴル・ザムザ氏」と名前を書き添えていました。

グレーゴル・ザムザは、そう「変身」の主人公の名前です。

グレーゴル・ザムザであることを強調するために、
体にはお父さんが投げつけたリンゴがしっかりめり込んでいます。

こんな絵を描いていたからといって、「変身」を読む時に、
この人の姿を思い浮かべていたわけではありません。
落書きした時に「むしだから」という理由で、とても適当に命名したんだと思います。

とても適当だったわりに、
様々なバリエーションで私のグレーゴル・ザムザ氏は書き継がれていき、
やがてこゆい男性の顔が愛らしい赤子フェイスに変わっていき、
不気味な手足が廃され、今の夜光虫のような形になっていったのです。

そんなルーツもあることを思い浮かべつつ夜光虫を見ていただくと、
さらに生温かい目で鑑賞することができると思いますよ!

 
それにしても、よくよく考えてみると、
今、私が作っている“生き物の被り物をしている風の人たち”の
人面+生き物ボディのすべての源は、
このグレーゴル・ザムザ氏の落書きから始まっているのかもしれません。

パンダちゃんも、オオサンショウウオも、カバも、
チョコレイツだってそうかもしれません…。

むし展開催目前にして、
自分のすべての創作のルーツを垣間見てしまったような気がします。