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むし展展示作品「ナイチンゲール虫」

石粉粘土作品「ナイチンゲール虫」

ドリーミータイプの三人目は「ナイチンゲール虫」です。ニヒル牛2にて展示しています。

ナイチンゲール虫を上から見るとこんな感じ。
体の左右には、黄色いバラと白いバラが描かれており、
お尻…というか一番最後の体節には、蝶々とひなぎく、緑色の小さいトカゲが描いてあります。

で、どこがどうナイチンゲールかと言いますと、

石粉粘土作品「ナイチンゲール虫」後頭部

背中の方にいるんです。
鳥のナイチンゲールが。

ナイチンゲールと言っても、あの白衣の天使の方ではなく、
鳥類の方のナイチンゲールだったんです。

このナイチンゲール虫は、
オスカー・ワイルドの「ナイチンゲールとばらの花」という童話がモチーフになっています。

「ナイチンゲールとばらの花」のストーリーをかいつまんでご説明しますと、

あるところに恋に悩む大学生がいました。
彼は、好きな人に振り向いてもらうためには、真っ赤なバラを捧げるしかないと思い込み、そのバラが手に入らないから好きな人に振り向いてもらえないので生きている意味なんかない、と嘆き悲しんでいる非常に気の毒な学生さんです。
ところが、美しい歌声を持つ愛らしいナイチンゲールは、奇特なことにこの学生さんを好きになってしまい、なんとか彼の役に立ちたいと真っ赤なバラを探しに行きます。
黄色いバラのところに探しに行くと、白いバラの兄さんに聞くといいと言われ、
白いバラのところに行くと、学生さんの窓の下にいるバラの木に聞くといいと言われます。
窓の下のバラのところに行くと、私は真っ赤なバラを咲かせることができるけど、
そのためには私のトゲをあなたの心臓に突き刺して、一晩中歌いながら、
あなたの血で私のバラを赤く染めるしか方法はないと言われてしまいます。
自分の命が犠牲になることを知りつつも、ナイチンゲールはトゲを胸に刺し歌いはじめるのですが…。

というお話です。

とても悲劇的で美しいお話ですが、最後がなんとも現実的というか突き放した終わり方で、後味の悪いお話とも言えます。
オスカー・ワイルドの童話って、徹底的に悲惨な状況が救いにまで昇華されるか、悲劇的な展開の上に突き放して終わるかのどっちか。
「ナイチンゲールとばらの花」は完全に後者ですね。
どっちも好きなんですけどね。

というわけで、後頭部と背中に、胸から血を流しているナイチンゲールと、
真っ赤なバラが描いてあります。
結構残酷絵図です。
このバラがまた、
「ほらほら夜が明ける前にもっといっぱい歌って血を流さないと、真っ赤なバラになりませんよ!」
とか、散々ナイチンゲールに意地の悪いことを言うんですよ!
ひどい話だ。

お尻の方にいる蝶々とひなぎくと緑色の小さいトカゲは何なの?と言いますと、
「真っ赤なバラが手に入らない~」と、草原で突っ伏して号泣している学生さんを
せせら笑っていた三人組です。

あと、唯一ナイチンゲールの味方になってくれるウバメガシの木も出てくるんですが、
スペースと自分の画力の関係で割愛。
ちなみに、ウバメガシってどんな木?と思って調べたら、
普通に一軒家の生け垣とかに使われているよくみかける低木でした。
そうか、あれはウバメガシという木だったのか。

 
「ナイチンゲールとバラの花」は、「幸福な王子」(新潮文庫)に収録されています。
南圭子さんによる表紙の絵も美しい、名作です。

ご興味がある方はぜひ。
私は「わがままな大男」と「王女の誕生日」が好きですー。
今日はまるでむし展と関係のない内容ですみません…。